採用情報

2021-03-15

業界でも注目、公社初の1棟丸ごとリノベーションを担当 上田 憲治


賃貸事業部 設計監理課 平成14年入社
 

Q1:神奈川県住宅供給公社を就職先として選んだ理由を教えてください。

大学で建築学を学び、ものづくりの仕事につきたいと思っていたので自然と建築の世界に目が向きました。公社は賃貸住宅事業のみでなく、大規模な分譲マンション事業や公的住宅機関で先駆的であった高齢者住宅事業まで幅広く展開している多様さにも魅力を感じました。
最初に配属されたのは、特優賃事業や再開発事業の事業を進めていく部署で、物件オーナーや再開発エリア内の権利者との関わりが多く、先輩の後ろについて仕事を覚えていくだけでしたが緊張していたのを覚えています。その後、異動を経て、建替推進課で昭和26~28年に建設された「戸手団地」から「フロール川崎戸手」(川崎市幸区)(参照:自治会会長として建替えを経験、仲良く住めることが喜び 2020.11.30掲載 藤原 睦夫:https://www.kosha33.com/kjk70th/voice/post-6.php)への建替事業の移転交渉を担当しました。「戸手団地」は当時150世帯以上が住み、1世帯づつ交渉や手続き等を行うことは大変でしたが、建替えによる居住者の皆様のご苦労や公社への期待を知ることができました。建替事業は移転交渉を始めてから新しい建物が完成して引越しするまで居住者の皆様と何年もお付き合いします。その中でコミュニケーションをとって人間関係を築けていくことを実感できたときは本当に嬉しい気持ちになりました。
5年前から現在の設計監理課に配属となり「アンレーベ横浜星川」(横浜市保土ヶ谷区)の1棟丸ごとリノベーションを担当しました。

アンレーベ横浜星川のリノベーションされた室内で

Q2:「アンレーベ横浜星川」の1棟丸ごとリノベーションはどのような内容ですか。

築60年以上経ち、老朽化が進んでいた「桜ヶ丘共同住宅」を、今後も優良な賃貸住宅として継続させるために建物の長寿命化や商品価値の向上を図ることを目的とした事業です。工事完成後に建物の名称を「アンレーベ横浜星川(※)」と変更しました。
この事業は試行的に行ったところもあり、様々な取り組みにチャレンジしました。具体的には、建物寿命90年を目指して、断熱性能向上や結露の抑制等のための【外断熱改修】、外装デザインや間取りを一新する【リノベーション】、メンテナンス性が向上でき間取りの自由度も図れる【排水竪管(たてかん)の屋外化】を実施しました。
屋外化した配管の周囲を茶色のアルミルーバーで囲い、団地のイメージを変える外観には、工事が完成し足場を外した時、近所の方から「新築物件かと思ったよ!」と声があがるほど生まれ変わりました。
また、住戸内では一旦内装や設備を全て撤去したスケルトン状態からにし、すべてを一新しました。2DKだった間取りは1LDKになり、居室の床材には県内小田原産の杉無垢材を使用しています。居住者の入退去がある賃貸物件で、材質が柔らかい杉無垢材を使用するのは珍しいと思いますが、市販のフローリングにはない温かみや自然の風合いが想像以上に良くとても気に入っています。
この事業は、建替えによる投資利回りが期待できない既存ストック団地の活用事例として、メディアでも取り上げられ、業界から多くの反響をいただいています。
※アンレーベ:戦後昭和の高度経済成長期に産業の発展と共に多く建設され、かつて「夢の団地」といわれていた団地のリノベーションにおいて、「夢」をキーワードにフランス語の夢「REVE(レーヴ)」に不定冠詞「UN(アン)」を付けた造語

「小田原産の杉の無垢材は、香りも良く、温かみがあります。」
 

Q3:「アンレーベ横浜星川」を担当して、やり甲斐や苦労された事を教えてください。

外装と内装を一気に丸ごとリノベーションする試みは公社で初めての工事で、事業スキームで最も重要なことは、32戸中14戸の居住者が引っ越しをせず、居ながらですべての工事を実現させることでした。一般に工事は人が住んでいない方が楽ですが、お住まいの方にとって仮住まいへの引っ越しは大きな負担となります。社内の設備担当者や設計者と試行錯誤を続け設計に2年ほどを費やし、なんとか工期や工法の見通しが立ち工事をスタートしました。
居ながら工事の実現のため、住戸内のリノベーションを3プラン提案し、居住者が選択して、ローテーションしながら工事を進めました。また、通常の改修工事では同時に行わない建築と設備の同時施工を行う等、工事は複雑を極め、調整に苦労しました。工期は11ヶ月に及びましたが、事故もなく無事に終えることができ感無量です。
公社にとって初めてとなる工事を担当できたことは貴重な経験・財産になりました。

「居住者の皆様のご理解とご協力があったからこそ実現した1棟丸ごとリノベーションです」
 

Q4:公社への就職を考える方に一言お願いします。

職員数が少なく繋がりが強いことが特徴で、部署に関係なく先輩後輩と気軽にコミュニケーションが取れ、言いたい事が言えるチャレンジできる職場だと思います。
公社では、建物を建てて、入居者を募集して、維持管理していく、住宅の全てに関わることができる魅力があります。建替事業で居住者の皆様と直に接した経験が、その後のアンレーベ横浜星川のリノベーションに活かされたと実感しています。この経験を次の仕事にも活かして積み上げていき、これからも新しい事にチャレンジしていきたいです。
学生時代は大学まで野球部に所属して野球漬けの毎日を送っていました。公社にも野球部があり今でも野球を続けることができています。 仕事や家庭とバランスをとりながら、先輩後輩一緒に野球を楽しみ、オンもオフも充実して過ごしています。

野球部でも活躍しています。

眺めの良い「アンレーベ横浜星川」の屋上で。

関連コラム:公社創立70周年企画
Life Field ~皆様からの声~
https://www.kosha33.com/kjk70th/voice/
 Life Field ~社員紹介~
https://www.kanagawa-jk.or.jp/outline/recruit/introduction/
 
【2021年3月31日追記】
「アンレーベ横浜星川」が第30回BELCA賞を受賞しました。
こちらを担当した上田さんより受賞コメントをいただきました。
この度、1棟丸ごとリノベーションしたアンレーベ横浜星川が、公益社団法人ロングライフビル推進協会が主催する「第30回BELCA賞 ベストリフォーム部門」を受賞しました。
BELCA賞は、既存建築物に対する表彰制度で、長期にわたって適切な維持保全をしたり、優れた改修を実施した既存の建築物について、ロングライフ及びベストリフォームの2部門を設けられています。
外断熱改修や住戸リノベーション等の改修内容とともに、内外装全ての工事を全戸居ながらで実現させたことを評価されました。
全戸居ながら工事の実現は、設計段階から特に配慮して取り組んだ点で、事業の成果が、このような形で認められ、名誉ある賞を受賞することができて嬉しく思います。
参照:第30回BELCA賞表彰建築物(ベストリフォーム部門) 
http://www.belca.or.jp/belcap.htm
http://www.belca.or.jp/b159.htm
公社ニュースリリース
https://www.kanagawa-jk.or.jp/news/?id=928