お問い合わせ

NAOTO OKABE

岡部 直人

2020-12-15

竹山団地と言えば岡部、職員そして住民として深く関わる場所 


賃貸事業部  平成3年入社

Q1:神奈川県住宅供給公社を就職先として選んだ理由を教えてください。

大学で建築学を専攻し、地元である神奈川県内の住宅業界で就職先を探していました。ちょうどバブルと呼ばれる好景気だったので住宅業界なら成長性があり安定していると思いました。日本中が好景気に湧き次から次へと住宅を建て熱気に包まれていた時代でした。入社して最初の2年間は工事現場を担当し、その後10年間は設計課で工事の発注を経験しました。
その後、建物の維持管理をする部署に移り技術的な仕事を7年間担当することとなり、入社以来19年間は建築関係の仕事を担当し、ずっとハードに関する仕事をしていました。ところが20年目、公社が約10年ぶりに再開した建替事業を管轄する事業推進課の課長となり、建替対象物件にお住まいの方との移転交渉などを行うことになりました。すでに異動から約一か月後には住民説明会を開催することが決まっていました。状況を把握し十分に説明をするための準備時間は限られています。説明会の日が近づくと部下を相手に何度も何度もリハーサルを重ねました。住民説明会の前夜は緊張と不安で眠れなかったのを覚えています。
これまでの間、経営危機や公社民営化に向けた取組みも経験しました。今年で入社して30年になりますが、日本経済の動きや公社の歴史とともに様々な局面を職員として味わってきました。

入社してからの30年の歴史を振り返る岡部さん

Q2:神奈川県住宅供給公社で働きながら公社物件にお住まいと聞きました。

竹山団地(横浜市緑区)の隣に公社の新築分譲マンションの建設現場があり、入社1年目から工事監督として毎日竹山に来ていました。入社2年目に結婚しましたが、当時の課長から「お前、竹山に住め、近いからいいだろ」と言われるがまま竹山団地に住み始めました。今では考えられないでしょう。妻はきょとんとしていましたよ(笑)。竹山団地の賃貸住宅に入居し、子どもが2人生まれ手狭になったので竹山団地内で中古の分譲を購入し、リフォームして現在までほぼ30年間竹山団地に住み続けています。
竹山団地のシンボルは何といっても団地の中央にある人工池です。スーパーなど商店街が池の周りに配置され、住民の憩いの場になっています。幼稚園や小学校も近くにあり、私の子どもたちもお世話になりました。「商店街のある住棟」はまるで浮いているような設計で建物の佇まいが美しいです。
当初は公社職員という立場はあえて周囲には話していませんでしたが、仕事で竹山団地と接点をもつことも増えたため、ある時からは堂々と公社の人間として関わらせていただきました。その中では、当時使われなくなっていたファミリーレストラン跡に、地域のみなさんから待望されていた高齢者が集うふれあい交流サロン「竹多久(ちくたく)」を設けたことが一番の思い出になっています。公社は場所を提供し、工事費の一部は行政からの補助金を活用、内装工事は住民によるボランティアが行いました。公社、行政、地元住民の三者の思いと結束があって完成したこの施設は、本当に意義深いものとなりました。当時の竹山連合自治会の石松会長と竹山地区社会福祉協議会の鈴木会長とは長いつきあいです。

「竹多久」が出来た当時を振り返る、岡部さん(左)、石松さん(中央)、鈴木さん(右)

Q3:入社して30年、職員としての人生を振り返りどのようなお気持ちですか。

竹山団地から出勤し、公社のさまざまな業務に向き合ってきました。いつも思い出すのは竹山団地にお住まいの方々のお顔です。地域のみなさまの支えがあり仕事を続けることができたと思います。公社職員であり住民でもあるので多少やりづらさはありますが、竹山団地の少年野球チームの監督もやらせていただき、子どもと一緒に地域に育ててもらいました。ある時は背広を着て交渉もしますが、住民として溶け込み生活しているので「おい岡部」とか「岡部ちゃん」とも呼ばれます(笑)。子どもが大きくなると団地内で草刈をしていない場所があると「草を刈った方がいいよ、お父さんの会社でやるんじゃないの?」とチクリとやられ、草を刈ると「やっとすっきりしたね」とまたチクリ(笑)。
竹山団地をはじめ公社の物件にお住まいの方がいるから、我々は仕事が出来ています。お住まいの方からの協力や支援があったからこそ今の私がいる。成長させていただいたと思っています。感謝の気持ちを忘れず、これからも住民目線で仕事に向き合っていきたいですね。

「公社住宅に住んでいるという住民目線は私の強みです」

Q4:公社への就職を考える方に一言お願いします。

少数精鋭かつアットホームな雰囲気の職場です。職員70人しかいない組織でずっと一緒に仕事をする仲間なので、ギスギスせず笑いながら結果を出したいじゃないですか。70周年となり今後の公社について聞かれることもありますが、今の仕事、目の前の仕事にベストを尽くさなければ将来もないと思います。与えられた目の前の仕事に全力を尽くす、そう思いながら30年間勤めてきました。公社に入社する方は、様々な経験をすると思いますが、一つひとつの仕事に全力で向き合って欲しいです。そして様々な経験の積み重ねが自身の成長へとつながります。公社の先輩・後輩、そして住民の方もいろいろな人がいますが、全力で向き合えば最高の仲間に出会えると思います。

「竹山団地と公私共に過ごしています。」と竹山団地のシンボルの池前で。


関連コラム:公社創立70周年企画
Life Field ~皆様からの声~
https://www.kosha33.com/kjk70th/voice/
職員の声一覧へ戻る