2024-10-28
2023年度の大仕事!新しい公社の賃貸「YOKOHAMA PROJECT」の3物件に迫ります!
左から、賃貸事業部 設計監理課:佐々木 匠 2018(平成30)年入社、
上田 憲治:2002(平成14)年入社、西田 翔太郎:2009(平成21)年入社(所属は2023年度のものです)
公社では横浜市内の賃貸住宅3物件の建替事業を並行して行い、2023年度、「
フロール横浜三ツ沢」(横浜市神奈川区)、「
フロール横浜井土ヶ谷」(横浜市南区)、「
フロール横濱関内」(横浜市中区)が竣工しました。この新築3物件のそれぞれの工事担当者に話を聞きました。
インタビュー場所は、「フロール横濱関内」の1階にあるコミュニティラウンジ「
benten103」をお借りし、お隣の「
生わらびもち 鎌倉 凛 横浜関内店」の「生わらびもち」と「わらびもちドリンク」とともにリラックスした雰囲気の中で行いました。
Q.それぞれの新築物件の特徴を教えてください。
「フロール横浜三ツ沢」について
西田(設計監理課):2023(令和5)年10月に竣工した「フロール横浜三ツ沢」は、1954(昭和29)年に竣工した「栗田谷共同住宅」の建替物件です。高台にあり眺望が良く、横浜やみなとみらいが一望できる立地ということで、屋上テラスを設けました。みなとみらいの花火がよく見えます。
3物件共通の話で、設計監理課の業務として、設計自体は設計事務所に委託をするのですが、建物所有者として、設計意図が正確に反映されているかなどをチェックします。工事を担当する部署ですが、入居者募集の部署や入居後の管理を行う部署にもその都度、設計図面を共有し意見を集約し設計事務所に伝えるといったことも行っています。社内と社外をつなぐ仕事ですね。
「フロール横浜井土ヶ谷」について
佐々木(2024年3月まで設計監理課、4月より運営管理課所属):2024(令和6)年1月に竣工した「フロール横浜井土ヶ谷」は、1971(昭和46)年に竣工した「横浜井土ヶ谷共同ビル」の建て替え物件です。横浜井土ヶ谷共同ビルは公社の賃貸団地で初めてのエレベータ設置の11階建の高層住宅(同時期に横浜鶴見共同ビルも竣工)でした。
本物件が川の近くということもあり災害・防災対策を考慮し、従前より接点があった地域とのつながりを意識した集会室などを整備した物件です。
「フロール横濱関内について」
上田(設計監理課):2024(令和6)年3月に竣工した「フロール横濱関内」は、1958(昭和33)年に竣工した当公社の旧本社であった「弁天通3丁目第2共同ビル」を建て替えた物件です。老朽化により2015(平成27)年に解体しましたが、戦災復興建設事業の市街地共同ビルとして、神奈川県の戦後建築史に残る建物でした。
「フロール横濱関内」は、歴史ある旧建物を継承し、将来にわたって関内地区の振興に貢献できる複合型賃貸住宅を目指した物件です。上層階を109戸の賃貸住宅、1階から3階に飲食店やクリニックなど11の店舗が入っています。海の近くということもあり、浸水リスクを避けるため、電気室を3階に設け、駐輪場を地下に、シェアラウンジを4階の居住エリアへと他にない配置プランを行いました。シェアラウンジには旧建物の解体時に部材の一部を保存していて、インテリアの部材として再利用しています。
Q.苦労した点・工夫した点はありますか?
「フロール横浜三ツ沢」について
西田:物件が丘の上の高台にあるということで眺望は良いのですが、同時に不便さもあります。それを解消する施策として、電動アシスト自転車のシェアサイクルを公社としては初めて採用しました。敷地内に設置していますが、近隣の方も利用できるものになっています。また、物件の目の前にあるバス停からは、横浜駅までバスで16分ほどの立地。 1階のシェアラウンジにあるモニターでバスの接近情報を確認でき、雨の日や寒い日にシェアラウンジでバスを待つことが出来るようにするなど、入居者の方にできるだけ不便さを感じさせないように配慮しました。これも他の物件にはない特徴です。
交差点の関係で敷地出入口が制限された影響で、一部住戸への動線が難しかったのですが、後輩のアイデアでメゾネットタイプを採用することで、解決できました。設計者や私にはない発想で、チームで作り上げたと感じています。
「フロール横浜三ツ沢」(「フロール横浜井土ヶ谷」も)は旧住宅にお住まいだった方も入居する建て替え物件です。それに伴い、移転交渉を行う部署や新規入居に対する募集業務、ご入居者対応を行う部署等、公社の物件は皆で作り上げるものだと思っています。
「フロール横浜井土ヶ谷」について
佐々木:工夫した点は川の近くの物件ということで災害・防災対策を考慮した点です。あとは、マンション建設にノウハウがある施工会社であった為、今後の管理面を考慮した施工のアイデア等をいただきながら工事を進めました。
また、「フロール横浜井土ヶ谷」は住宅地にあるので、通行止めになるような工事の際には施工業者と一緒に工事のお知らせを近隣に配布したことも良い思い出です。
旧住宅にお住まいの方のうち半分ぐらいの方が戻り入居希望だったので、一人でも多くの方に戻っていただき、暮らすことに不安なく、喜んでもらえるようにと思って担当していました。
入社して3年目で初めての建て替え事業の担当を任された時は、プレッシャーよりもうれしかったですね。
約4年かかった事業でしたが、とてもやりがいがありました。
「フロール横濱関内」について
上田:現存している隣接の防火帯建築との調和を図るよう建物外観には防火帯建築の名残を残すような構成やデザインを取り入れました。住宅の間取りでは、高層建物で柱や梁が太く大きいため、間取りに制限があり極力デッドスペースがないようにするのに苦労しました。
市街地ならではの狭あい敷地であること等施工にも制約がある中、生産性の向上を目指して、2つの取組みを実践しました。1つは物流センター中継システムです。資材の搬入について従来の現場への直接搬入では仮設ヤードが十分に確保できず、効率が悪いため物流センターから必要な資材を必要な時に運ぶことで運送効率を向上させました。もう1つは内装パネル化工法を採用しました。内装パネルを工場生産とすることで現場での労務費や工期短縮を図りました。
Q.完成した時のお気持ちを教えてください。
「フロール横浜三ツ沢」について
西田:「フロール横浜三ツ沢」も「フロール横浜井土ヶ谷」同様に住宅地にあるので、近隣の方にご迷惑をかけているのではないか、工期が遅れないか、と心配が多くありました。完成した際は、とてもホッとしました。
今年の夏のみなとみらいの花火を見に屋上テラスに大勢の居住者の方が来てくれたようです。眺望の良さを活かし、たくさんの方に景色を楽しんでいただきたいと思い設置した屋上テラスだったので、話を聞いてうれしかったです。
「フロール横浜井土ヶ谷」について
佐々木:戻り入居の方には「キレイになったね~!」とか「バルコニーが広くなってうれしい!」などうれしい感想をいただきました。そういう声を聴くとうれしいですね。
目の前の川沿いが桜の名所なので、建物入口にある「コミュニティテラス」で桜を鑑賞していただいているようです。
「フロール横濱関内」について
上田:新築工事を初めて担当し、設計から携わっていて、自分の仕事が目に見えて形になることに達成感がありました。設計から工事完成まで約5年間の事業で、無事に完成したと安心した気持ちも大きかったです。
また、「フロール横濱関内」は、横浜市市街地環境設計制度を活用して建物高さの緩和を受けた建物高さが45mの高層建物で、みなとみらいエリアの景色を望めて素晴らしいです。
関内は港町の歴史が息づくまちで物件コンセプトの「YOKOHAMAを住みこなす」にあるような関内のまちを楽しんでもらえる方に住んで欲しいと思います。
Q.仕事に対しての失敗や反省することなどありますか?
西田:今回の新築工事でも反省点も多くありましたが、失敗しないと気付けないことも多くありますので、よい経験ができたと前向きに考え、次の機会に活かしたいと思っています。
佐々木:もちろん失敗や反省をすることは仕事上で何度もあります。失敗をした際に自分が大事にしているのはその失敗がなぜ起きたのか?どのような対策をしていれば起きなかったのか?を考え同様な失敗を繰り返さないようにしています。そして、先輩方同様に気持ちを切り替えて前向きに考えるようにもしています。
上田:失敗も反省もあります。心がけていることは失敗をネガティブのままで終わらせずに、次への行動や前に進んでいく気持ちに切り替えられるように考えています。
また、自分は若手ではないので、担当させてもらった経験を後輩たちに伝えていくことも大事だと思っています。
Q.今後、やってみたいことなどありますか?
西田:今回の経験を生かして、また新築物件を担当できればいいなと思います。例えば、お金をかけなくても魅力ある物件を作りたいと思います。「フロール横浜三ツ沢」では、シェアサイクル事業者と連携して、設置することで、物件の魅力をあげることができました。今後も、いろいろな可能性を検討していきたいと思っています。
佐々木:もちろん建て替え事業にも携わっていきたいのですが、古い物件ならではの価値を今後に引き継いでいけるように建物を保存するようなこともしてみたいと思います。
あとは、公社の物件は今後も建て替えを検討してくる場面も増えると思います。建て替えをするとどうしても家賃等が上がってしまいます。今、住んでいる方が建て替え前と同水準で住めるような仕組みづくりを検討していけないかな?と感じています。
上田:現在、「フロール横濱関内」に続き、現在(2024年8月)「フロール厚木緑ヶ丘」(厚木市)の新築工事を担当しています。物件のコンセプトや仕様に違いがありますが、「フロール横濱関内」での経験を活かして取り組んでいます。その経験が、いままで気づけなかった施工の視点や必要な事前準備などが役に立っていると思います。「フロール厚木緑ヶ丘」の経験も今後自分に大きく役立つと感じています。今後も色々とチャレンジしてきたいと思います。
Q.では、仕事に話はこれぐらいで、休日などは何をされていますか?
西田:子どもがまだ小さいので、子どもとプールや公園で遊んでいます。あとは、資格取得へ向け、勉強をしています。
佐々木:学生の頃は、アルペンスキーをしていたのですが、今は、その時の仲間たちとゴルフをしています。気分転換になりますね。
上田:小学校から大学まで野球をやっていて、公社でも野球部に所属しています。最近は、子どもの少年野球チームのコーチをしていて、休日は野球ですね(笑)
皆さん共通して、新築物件を担当し、工期と予算を考えながら業務をこなすなど、担当者としての責任や誇りを感じました。プレッシャーもあったと思いますが、3人ともに完成した時はホッとしたと話し、また、新築工事に携わりたいとのこと。今後も3人の活躍が楽しみです。
新築物件は大きな事業です。ただ建物を建てるだけではなく、その前後で色々な部署との連携で公社の事業が成り立っているのを改めて実感しました。
佐々木さんは竣工翌年度の2024年4月から運営管理課に異動になりましたが、携わる物件や部署、年齢や立場が違っても、同じ時期に新築工事を手掛け、共通の課題に取り組んだ者同士としての絆を感じました。

新築3物件の工事担当者が集まって記念写真。皆の力でステキな3物件が完成しました。
公社の賃貸ブログ
YOKOHAMA PROJECT第1弾!新しい公社の賃貸「フロール横浜三ツ沢」の魅力を取材してきました!(2023.10.31)
https://www.kousha-chintai.com/blog/efforts/yokohama-project1.php
YOKOHAMA PROJECT第2弾!新しい公社の賃貸「フロール横浜井土ヶ谷」を取材しました!(2024.02.20)
https://www.kousha-chintai.com/blog/efforts/yokohama-project2.php
YOKOHAMA PROJECT第3弾!新しい公社の賃貸「フロール横濱関内」を取材しました!(2024.04.02)
https://www.kousha-chintai.com/blog/efforts/yokohama-project3.php
職員の声
「二宮団地再編を担当、地域の魅力を多くの方に伝えたい。」西田 翔太郎(2020-09-11)
https://www.kanagawa-jk.or.jp/recruit/introduction/details.asp?id=9
【動画あり】「思い描いたイメージが『カタチ』になる喜び」佐々木 匠(2022-08-10)
https://www.kanagawa-jk.or.jp/recruit/introduction/details.asp?id=35
【動画あり】「業界でも注目、公社初の1棟丸ごとリノベーションを担当」上田 憲治(2022-09-15)
https://www.kanagawa-jk.or.jp/recruit/introduction/details.asp?id=32
●関連動画
神奈川県住宅供給公社“みらいへのプロジェクト”1棟丸ごとリノベーション「アンレーベ横浜星川」
https://youtu.be/ALlqggHKJFc
職員の声一覧へ戻る