孤立死対策の取り組み状況について

取り組み方針

当公社賃貸住宅では、年々「住まい手の高齢化」が進行していることを受け、これまで行政や入居者等と連携し様々な取組みを行ってまいりました。 
こうした取組みを加速させるべく、令和3年度に策定した経営計画における公社の役割のひとつとして「高齢者等が安心して暮らせる環境の提供」を掲げました。
これからも、関係者との協力・協働を通じ、課題対応に向けた取組みを実践してまいります。

2024年6月6日更新

1 令和5年度の取組み

1孤立死等対策に関する協定締結について

平成26年度から各自治体様、各種団体様と「孤立死等対策に関する協定」を締結し(下表参照)、近年社会的に増加している孤立死等の防止に取り組んでいます。なお、令和5年度は厚木ガス株式会社と新たに協定を締結いたしました。

協定締結先一覧(令和6年3月31日時点)

協定締結先一覧

※既存物件の建替があり、今年度から対象戸数が変更されております。
(フロール横浜三ツ沢、フロール横浜井土ヶ谷、フロール横濱関内)

2ご入居者・管理会社・公社での検討会

平成24年度からご入居者の代表者様・管理会社・当公社の三者で「孤立死等防止検討会」を発足し、定期的に孤立死に関する意見交換・情報共有を行っています。令和5年度は、上半期と下半期で各1回開催し、最近の安否確認では、第一報が管理会社や当公社ではなく、ご入居者から自治会に直接連絡がされるケースが散見されることから、自治会に負担がかかっていないか、次項で述べる「団地みまもりサポーター事業」と併せて検証していくことが重要と認識しました。掲示等での周知を含め、今後調整が必要であることから、本件は、当検討会で引き続き協議をしていく予定です。

3団地みまもりサポーター制度

見守り活動や団地共用部の美化活動など、自治会の活動を支援することを目的とした「団地みまもりサポーター事業」は、令和6年3月31日時点で20の自治会に参加いただいています。ご入居者と距離が近い自治会は、管理会社や当公社への第一報通報者として安否確認時に大きな役割を果たしています。今後も取り組みの趣旨をご理解いただいた自治会と順次協定を締結し、見守りの輪の拡大のために、より一層注力していく考えです。 また、孤立死等対策に関する掲示や回覧等について、団地みまもりサポーター事業に参画している自治会の協力のもと、ご入居者への周知を実施いたしました。

  • ・孤立死等対策のお知らせ [夏(熱中症予防)]第22号 令和5年6月29日発行(PDF

  • ・孤立死等対策のお知らせ [冬(ヒートショック予防)]第23号 令和5年12月1日発行(PDF


    これらのお知らせでは、熱中症・ヒートショックの予防に加えて、入院や施設入所等による長期不在住戸の安否確認が多発していることから、長期不在時の必要な手続きについても周知を行いました。

4公社のみまもり支援サービス RefPaC(レフパック)

※RefPaCは㈱Rootsの登録商標です。

令和4年2月1日より、人の目による「外からの見守り」に加え「住宅の内からの見守り」を目的としたサービスを無償でご入居者に提供中です。このサービスは、ご入居者の自宅にある冷蔵庫やトイレのドアなどに通信機器を設置し、開閉による振動を生活リズムと捉え、このリズムの変化から安否の確認機会を電子メールでお知らせするというものです。

募集状況(令和6年3月31日時点)

6団地から試行的に開始した当サービスは、令和5年度末には64団地(全76団地)まで対象団地を拡大し、下表のとおり、現在309名のご入居者にご利用いただいております。残りの12団地は未導入となっておりますが、サービス提供に必要な電波の強度を確認しつつ、最終的には全ての団地にサービス提供ができるよう進めています。

5その他の取組み

  1. 継続している取組み
    • 管理会社による高齢単身ご入居者の見守り活動「ライフサポート事業」(平成25年11月~)
    • 戸塚区地域ネットワーク見守り事業「みまもりネット」への事業者登録(平成28年7月~)
  2. 協定締結先への相談・連携等
    • ご入居者に問題が発生し、当公社単独では解決が難しいとき、協定締結先が運営する地域包括支援センター等に相談させていただき、ご協力いただいた事例があります。

2 安否確認結果と考察

安否確認発生件数は前年より5件増加し、死亡件数は前年より3件増加しました(表1)。
明確な傾向がないため、表1の数字だけでは決定的な原因を知ることは難しいですが、令和5年度は、安否確認が発生するきっかけについて考察してみました(表2)。安否確認のきっかけとして、「ご入居者と連絡がとれない」「最近姿を見かけない」「職場に出勤していない」が挙げられ、これらは「ご入居者と関係性が近い」あるいは「ご入居者の顔を知っている」からこそ、安否確認機会があると考えます。一方で「郵便が溜まっている」「荷物がそのまま」「異臭がする」という原因は、ご入居者とたとえ関係性がなかったとしても、団地に来る機会さえあれば「誰でも気づくことができる」ものであると考えます。
以上に鑑みますと、異変に気づき安否確認機会を増やすためには、①ご入居者同士のつながりを広めること、②ご入居者に限らずより多くの人々の見守り意識が向上すること、の2点が有効と考えられます。これらを実現するため、今後より効果的なキャンペーン等を検討していこうと考えております。

表1 安否確認発生件数及び生存入居者の推移

表1 安否確認発生件数及び生存入居者の推移

表2 安否確認発生の主な原因と経過

表2 安否確認発生の主な原因と経過

令和5年度における孤立死等対策のレポートは以上となります。当公社は、今後も関係者の皆様との連携に基づき更なる体制の充実を図り、孤立死を1件でも多く抑制できるよう防止策に努めるとともに、より安心してお住まいいただける住環境の提供に努めて参りますので、引き続きご協力を賜りたく、何卒よろしくお願いいたします。

本件に関するお問い合わせ
賃貸事業部 運営管理課
Tel:045-651-1863
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