孤立死対策の取り組み状況について

取り組み方針

当公社賃貸住宅では、年々「住まい手の高齢化」が進行していることを受け、これまで行政や入居者等と連携し様々な取り組みを行っています。
こうした取り組みを加速させるべく、令和3年度に策定した経営計画における公社の役割のひとつとして「高齢者等が安心して暮らせる環境の提供」を掲げております。
これからも、関係者との協力・協働を通じ、課題対応に向けた取り組みを実践してまいります。

2025年6月9日更新

1 令和6年度の取り組み

1孤立死等対策に関する協定締結について

平成26年度から各自治体様、各種団体様と「孤立死等対策に関する協定」を締結し、近年社会的に増加している孤立死等の防止に取り組んでいます。

協定締結先一覧(令和7年4月1日時点)

自治体 愛川町 厚木市 綾瀬市 伊勢原市 小田原市 川崎市 相模原市
座間市 逗子市 二宮町 平塚市 藤沢市 湯河原町 横須賀市※1 横浜市
対象戸数
13,275戸※2
団 体 神奈川県牛乳流通改善協会 神奈川県新聞販売組合 京浜新聞販売組合
神奈川県宅地建物取引業協会 東京ガス株式会社 厚木ガス株式会社
対象戸数
13,447戸※2

※1 新たに令和6年10月1日に横須賀市と協定を締結しました。
ニュースリリース:「安全・安心な暮らしを目指して」神奈川県住宅供給公社と横須賀市は、孤立死等対策に関する協定を締結しました。(2024.11.16)

※2 既存物件の建替え(フロール厚木緑ヶ丘)があり、昨年度と対象戸数が変更されています。

2ご入居者・管理会社・公社での検討会

平成24年度からご入居者の代表者様・管理会社・当公社の三者で「孤立死等防止検討会」を発足し、定期的に孤立死に関する意見交換・情報共有を行っています。令和6年は1月1日に石川県内で発生した「能登半島地震」を受け、通常時での安否確認とは異なる「震災発生時」における当公社団地内での安否確認方法や災害用備蓄品に関することなどを協議しました。

特に当公社の団地では高齢世帯のご入居者が多くを占めていることから、災害発生時に孤立してしまう可能性が高い点なども含め、これらを課題として認識し今後も協議をしていくこととしました。

3団地みまもりサポーター事業

見守り活動や団地共用部の美化活動など、自治会の活動を支援することを目的とした「団地みまもりサポーター事業」は、令和7年3月31日時点で21の自治会に参加いただいています。ご入居者と距離が近い自治会は、管理会社や当公社への第一報通報者として安否確認時に大きな役割を果たしています。今後も取り組みの趣旨をご理解いただいた自治会と順次協定を締結し、見守りの輪の拡大のためにより一層注力していく考えです。 また、孤立死等対策に関する掲示や回覧等について、団地みまもりサポーター事業に参画している自治会の協力のもと、ご入居者への周知を実施しました。
孤立死等対策のお知らせ [夏(熱中症予防)]第24号(2024.06.01)
孤立死等対策のお知らせ [冬(ヒートショック予防)]第25号(2024.11.15)

これらのお知らせでは、熱中症・ヒートショックの予防に加えて、入院や施設入所等による長期不在住戸の安否確認が多発していることから、長期不在時の必要な手続きについて周知を行っています。

4公社のみまもり支援サービス RefPaC(レフパック)

※RefPaCは㈱Rootsの登録商標です。

令和4年2月1日より、人の目による「外からの見守り」に加え「住宅の内からの見守り」を目的としたサービスを無償でご入居者に提供中です。このサービスは、ご入居者の自宅にある冷蔵庫やトイレのドアなどに通信機器を設置し、開閉による振動を生活リズムと捉え、このリズムの変化から安否の確認機会を電子メールでお知らせするというものです。

募集状況(令和7年4月1日時点)

令和6年度末には全73団地中62団地まで対象団地を拡大し、下表のとおり、現在341名のご入居者にご利用いただいております。残る11団地の導入に向け、サービス提供に必要な電波の強度を確認しつつ、最終的には全ての団地にサービス提供ができるよう進めています。

サービス導入済団地 サービス募集対象者数 利用者数
62団地 2,414名(65歳以上の単身者) 341名

公社の見守りRefPacサービス

5その他の取り組み

  1. 継続している取り組み
    • 管理会社による高齢単身ご入居者の見守り活動「ライフサポート事業」(平成25年11月~)
    • 戸塚区地域ネットワーク見守り事業「みまもりネット」への事業者登録(平成28年7月~)
  2. 協定締結先への相談・連携等
    • ご入居者に問題が発生し、当公社単独では解決が難しいとき、協定締結先が運営する地域包括支援センター等に相談させていただき、ご協力いただいた事例があります。

2 安否確認結果と考察

安否確認発生件数は前年より6件減少し、死亡件数についても前年より3件減少しました。これに伴い、安否確認全体に対する救命割合は、前年より0.6%増となっています。

安否確認発生件数およびの生存入居者の推移

安 否 確 認 生 存 入 居 者
安否確認 発生件数の対前年
増加件数・増減率
生存入居者 (A)に対する
救命の割合
発生件数(A) うち生存が
確認された件数
うち死亡が
確認された件数
全件数 うち生命に
別状がなかった件数
うち生命の
危険が認められた件数
平成28年度 33 16 17 - - 16 8 8 48.4%
平成29年度 53 32 21 20 60.0% 32 21 11 60.3%
平成30年度 29 14 15 ▲24 ▲45.2% 14 13 1 48.2%
令和元年度 48 29 19 19 65.5% 29 22 7 60.4%
令和2年度 43 13 30 ▲5 ▲10.4% 13 7 4 30.2%
令和3年度 42 28 14 ▲1 ▲2.3% 28 24 4 66.6%
令和4年度 38 21 17 ▲4 ▲10.5% 21 15 6 55.2%
令和5年度 43 23 20 5 13.1% 23 18 5 53.4%
令和6年度 37 20 17 ▲6 ▲13.9% 20 17 3 54.0%

また、令和6年度の安否確認に至る通報者や対象者の年齢層を調査したところ、生存者・死亡者ともに自治会や近隣住民など対象団地に一番近い方々からの通報が多く占め、年齢層では70~80代のご入居者の安否確認が多く発生していることがわかりました。

通報者の属性と年齢別の安否確認発生状況

通報者属性 管理会社 近親者 警察官 勤務先 近隣住民 福祉団体 公社職員 自治会長 市役所 民生委員 管理会社 近親者 警察官 勤務先 近隣住民 福祉団体 公社職員 自治会長 市役所 民生委員 合  計
状況 死    亡 生    存
入居者年齢 50~59 1 1 1 3
60~69 1 2 1 2 1 1 8
70~79 1 1 3 1 2 1 1 2 12
80~89 1 1 1 1 2 2 3 11
90~99 1 1 1 3
100~ 0
合計 1 3 0 2 4 0 1 4 1 1 0 3 1 0 5 1 2 7 0 1 37
17 20
割合 45.9% 54.1% 100%

近年では、近親者と疎遠・身寄りがないことなどを理由に、ご入居者が室内で孤立死する事例も多くなってきました。当公社では引き続き団地内の見守りについて、ご入居者にご協力をお願いするとともに、見守りサービスの促進や団地内における移動販売業者の誘致等、見守り体制の拡充を目指していきます。

令和6年度における孤立死等対策のレポートは以上となります。当公社は、今後も関係者の皆様との連携に基づき更なる体制の充実を図り、より安心してお住まいいただける住環境の提供に努めてまいりますので、引き続きご協力を賜りたく、何卒よろしくお願いいたします。

本件に関するお問い合わせ
賃貸事業部 運営管理課
Tel:045-651-1863
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