1棟丸ごとリノベーション「アンレーベ横浜星川」(旧・桜ヶ丘共同住宅)
昭和29年(1954年)に竣工した桜ヶ丘共同住宅(横浜市保土ケ谷区)。竣工から60年以上が経過し、建物や設備の老朽化が進んでいました。そこで、令和元年(2019年)に外壁塗装+外断熱化、給排水一式、室内の間取りや内装・設備など、1棟丸ごとリノベーションとして「アンレーベ横浜星川」としてリニューアル。大量のCO2を排出するスクラップ&ビルドに頼らない、長寿命化して既存ストックを使い切る脱炭素につながる取り組みです。
-
改修前 -
改修後
本プロジェクトでは、建物の長寿命化と居住性能の向上を目的に、「90年、安心して住み続けられる建物」を目指して以下の改修を行いました。
- 一年中快適に過ごせる断熱性能を高め、結露を抑える【外断熱改修】
- 現代のライフスタイルに合わせて間取りとデザインを刷新する【室内リノベーション】
- 居住者はリノベーションプランを3タイプから選択可能。一部住戸は、県内産の杉を使用。
- 水まわりのトラブルに強く、自由度の高い住まいを実現する【排水管の屋外化】
また、この工事では、入居者が住まいながら外装および内装の全て工事を実現。これらの改修により、以前からお住まいの方は住み慣れた環境と既存コミュニティの中で住み続けることができ、また設備が最新化され快適になったことで世代を超えて安心して暮らせる住まいへと再生し、次の時代へ住み継がれる住環境づくりを実現しました。
県内産木材の活用
神奈川県住宅供給公社では小田原地区木材業協同組合と連携し、神奈川県産の木材を賃貸住宅等の内装材に活用しています。
木の再生循環をうまく回していた日本の林業が、いま厳しい状況になっています。国産木材は昭和30 年頃と比較して需要が半分ほどに減り、ほぼ100% だった自給率も令和5年度は43%と半分以下になっています(※)。安い輸入材に押され、販売価格も上がらず、収益も上がりません。
木は若いうちに多くのCO₂を吸収して成長するのですが、いま日本の山には成長しきった木が余っている状況で、若い苗に植え替えることが難しくなっています。
いま、建築物などに木材を活用することが地球温暖化の原因である二酸化炭素を減らす効果があるとして注目されています。さらに地元の木材を活用することで、さらなる脱炭素と地産地消につながります。神奈川県住宅供給公社では小田原地区木材業協同組合と連携し、神奈川県産の木材を賃貸住宅等の内装材に活用しています。
※林野庁令和5 年度木材需給表より

-

-

写真提供:小田原地区木材業協同組合
木を住宅に使うことによる炭素の固定化
木を住宅に使うことによる炭素の固定化輸送にかかるCO2の削減
輸入材を日本まで運ぶには、船など化石燃料を使うことになります。輸送過程の二酸化炭素排出量は国産材と比べて比較的近い中国材で1.8倍、欧州材だと9倍以上という研究もあります。
(参考:一般社団法人 ウッドマイルズフォーラム 「木材の輸送過程の二酸化炭素排出量」)
公社の県産材活用は地元産の木を地元で加工し、地元で使っています。コストの問題があるので、なかなか公社の全物件に採用することは難しいですが、輸送にかかるエネルギーは大幅に少なく環境にやさしいことから、一部物件での継続した取り組みとしています。

木の循環
地産地消による地元経済への寄与
活用事例
二宮団地(中郡二宮町)
「二宮団地」(中郡二宮町)では、「暮らしを楽しみながら働く」「ほしい暮らしをみんなで創る」をコンセプトとして、「さとやまライフ」の楽しさや魅力を創出できる、「住まい」と「暮らし」を提案しており、その一環で隣接する小田原産の杉材を使ったリノベーションを行っています。厚さ25mmの杉無垢材(むくざい)のフローリングやオリジナルの杉製キッチンなど、個性的な住戸です。このリノベーションは設計・デザインから製材、施工までを小田原地区木材業協同組合と連携して実施。地産地消、地域創成型プランとして、地域経済の発展に寄与することも目指しています。
アンレーベ横浜星川(横浜市保土ケ谷区)
「アンレーベ横浜星川」(横浜市保土ケ谷区)は、1954(昭和29)年に竣工した「桜ヶ丘共同住宅」を"1棟丸ごとリノベーション"した賃貸住宅。築60年以上が経過した建物は老朽化が進み、設備面も陳腐化し空室が目立っていましたが、躯体の耐震性が認められたため、躯体は残して、その他の外装・内装・設備等を更新し既存ストックの活用を図りました。フルリノベーションした住戸において、居室の床材には小田原産杉無垢材(むくざい)フローリングを使用しました。居住者の入退去がある賃貸物件で、材質が柔らかい杉無垢材を使用するのは珍しいのですが、市販のフローリングにはない温かみや自然の風合いが人気を得ている人気物件です。
Kosha33
2018(平成30)年、横浜市中区にある公社本社ビル1階を情報発信の拠点「Kosha33」として整備しました。幅36m、日本初の西洋式道路である日本大通りに面した、全面ガラスの窓で開放的な空間とし、外から見ても温かみのある空間づくりを目指し、県内産の小田原産杉の無垢材(むくざい)を約300m²に使用。床材の厚さは25mmあり、木の中心に近い木裏(きうら)部分を表面にし、赤味が美しい状態が採用されています。なお、1階床の小田原杉の下には、公社が所有する共同里山(小田原市小竹)の竹林整備により切り出された真竹を若葉台炭焼き工芸普及会と湘南二宮ふるさと炭焼き会が竹炭として制作し約500kgが敷き詰められ、消臭浄化効果が期待されます。
メガソーラー事業による再生可能エネルギーの貢献と伐採材の有効活用
県・中井町・民間事業者と連携し、公社所有地を活用したメガソーラー事業に協力、再生可能エネルギーの確保に貢献しています。
約14haの敷地に太陽電池パネル約4万枚を敷設し、開発当時は県内で約3番目となる出力規模として2015年より発電を開始。化石燃料を使わず、一般家庭約2,870世帯分の電力を発電しています。


周囲には保全した緑地からの鳥の声を聴きながら歩ける散策路も設けています。
周辺の緑地等を極力保全しつつ、建設時に伐採した樹木は、製材して賃貸住宅や子育て支援施設の内装材として有効活用しています。
-
公社賃貸第一号「大和町」の建て替えに活用
フロール横浜山手(横浜市中区) -
横浜若葉台子育て支援施設「そらまめ」(横浜市旭区)
未就学児を中心にした親子が集う場の整備に活用
環境にやさしい住まいとエネルギーの取り組み
建て替えや修繕を通じた環境配慮
建て替え時には高い断熱性の確保、LED照明の採用、太陽光発電の整備、敷地内の緑化を実施。また、住宅性能表示に基づき整備しています。
既存賃貸住宅の大規模修繕時には、共用部分のLED照明更新や環境配慮型の仕上げ材・設備を導入しています。一部物件では外壁改修時に断熱化工事も行っています。
シェアサービスとEV充電設備の導入
カーボンニュートラル・脱炭素社会への貢献を目指し、一部の賃貸住宅物件において電気自動車(EV)用の充電設備を整備しました。
さらに、シェアサイクル・カーシェアなどのシェアリングサービスの導入の拡大にも取り組んでいます。
ニュースリリース
カーボンニュートラル・脱炭素への貢献を目指し、電気自動車充電設備の導入・カーシェアの導入に取り組んでいます(2025.05.12)
竹林整備・農業体験・里山探索
公社保有資産を活かした自然に親しむ活動を行っています。
毎年、公益財団法人かながわトラストみどり財団と連携し、公社所有地で竹林整備体験を実施しています。また、公社所有地の田んぼでの農業体験、里山探索ツアーを開催し、里山の自然に触れ、環境保全の大切さを学ぶ機会を提供しています。
-
小田原市小竹の田んぼでの農業体験 -
二宮団地から小田原小竹を散策する里山散策ツアー






